日本人が大切にしてきたホーリープラント!真菰(マコモ)の素晴らしき薬力

更新日:2021年11月13日


「日本の縄文時代から利用されていたお米より古いマコモ。その治癒力を知っていますか?」

目次 1. マコモって 2. 歴史はイネよりもっともっと古い 3. 神事と治療に利用されてきた 4. ネイティブアメリカンのワイルドライス 5. ライスになるかマコモタケになるか二つに一つ 6. 地元でマコモタケの栽培 7. 黒穂菌って何?真っ黒?お歯黒? 8. マコモの薬用利用  9. マコモとケイ素1. マコモって?

1. マコモって

私はマコモの治癒力に大変注目しています。 本当は「マコモ菌」という微生物に注目しているのですが、 その話は次回にして、今回はマコモの植物についてお話しします。 マコモについて記載されている書籍は絶版のものが多く また見つけても古書になるため、1冊数万もしてしまうので、 とても手に入れにくい。特に医学的な情報を得るのに苦労します。 マコモの学名は「Zizania latifolia(ジザニア・ラティフォリア)」で、 和名は「マコモ」です。 植物学的な文脈で植物の和名を記載する場合は、 カタカナ表記になるので、ここでは「マコモ」と表記します。 なお、アジアに分布しているマコモは、 「Zizania Latifolia」のみ。

2. 歴史はイネよりもっともっと古い 実は、マコモの歴史はとても古いんです。 人類史が始まる前の、遥か昔から自生していたのですから。 マコモはイネ科の多年草で、東アジアが原産なんですね。 成長すると、人の背丈よりも高くなります。 そして、日本にイネが渡来するずっとずっと前から、 沼、湖、河川などの湿地帯に、マコモは群生していたのです。 つまり、イネより古株なのです。 ですから、イネを食する前の時代である縄文中期には、 マコモの種子が食されていたことがわかっています。 それに、食用だけでなく衣食住のすべてに使用されていました。 3. 神事と治療に利用されてきた さらに興味深いのは、マコモは衣食住だけでなく、 古事記や日本書‹Iに、治療用の薬草として登場します。 それだけでなく、様々な神事にも利用されてきました。 ですからマコモは、霊草とか、ホーリープラントと呼ばれています。 当時、マコモがいかに貴重な植物だったかが想像できますね。 マコモの神事で有名なのが、日本最古の神社出雲大社になります。 出雲大社のしめ縄は、太古の昔からマコモでできているんです。 それだけでも驚きですが、出雲大社では、 毎年無病息災を祈る「凉殿祭(すずみどののまつり)」が行われ、 これを「真菰(まこも)の神事」とか「真菰祭り」と呼びます。


4. ネイティブアメリカンとワイルドライス またアメリカでは、マコモの種子「ワイルドライス」と呼びます。 実はアメリカの先住民も、先史時代から、 自生しているマコモの種子を食料にしてきました。 菌学や植物資源学の権威・中村重正氏の著書には、 アメリカの先住民たちがマコモに祈りを捧げ、 伝統的な儀式を行ってから採集していたことが、 詳しく記載されています。 5. ライスになるかマコモタケになるか二つに一つ マコモはイネ科なので、古代の人々は お米と同じように食物として食してきました。 しかし、中には、穂がならないマコモもあります。 それは、黒穂菌に感染したマコモです。 マコモは黒穂菌が感染して寄生しやすく、夏を過ぎると、 黒穂菌が分泌するインドール酢酸の刺激により花穂が消失します。 種子もできないため、マコモは穀物となりません。 そのかわり茎に栄養分が蓄積して軟化して肥り、 白い「菌エイ」である、小さなタケノコのようなマコモタケが形成されます。 マコモタケは美味で、高級食材にもなっています。 マコモは、穀物になるかマコモタケになるか、二道をいくのですね。







6. 地元でマコモタケの栽培 私が住んでいる兵庫県北部の里山でも、マコモタケが栽培されていて、 私も収穫を体験させてもらっています。 マコモは自分の背丈より大きくなるのですが、 水田で足元がぬかるんで沈むため、さらに大きく感じます。 その大きな葉の間をかがみこんで、株の根元にある、 可愛らしく太ったマコモタケを収穫します。 新鮮なマコモタケは、天ぷらにしたり、炒めたり、 煮たりと、いろいろな料理にして、食べます。 食感が絶妙でとても美味です。 収穫の時、マコモを沢山栽培された農家さんが、 一つもマコモタケが生らなかったと相談に来られていました。 「それは黒穂菌が関係しているんですよね」という話になり、とても残念そうでした。 それで、今年はもうマコモタケは収穫出来ないのでと、マコモの葉を大量に狩って、下さった事がありました。マコモの葉はワラジや、ゴザなどいろいろなものに利用されます。





7. 黒穂菌って何?真っ黒?お歯黒? さて、黒穂菌は学名を「Ustilago esculenta(ウスティラゴ・エスクレンタ)」といい、 麹菌「Aspergillus oryzae(アスペルギルス・オリゼー)」と同じ真菌類で、 カビの一種です。 マコモの黒穂菌は安心して食べられる黒穂菌です。 マコモタケの内部に黒穂胞子が形成されてくると、 食用には向かなくなります。 そして、黒穂菌の胞子が成熟すると、 墨のように真っ黒になります。 その黒穂胞子をマコモタケからを取りだしすと 黒い墨が採集でき、それを「マコモズミ」と呼びます。 昔は、マコモズミを乾燥してから粉末にし、 それを油で練って眉墨やお歯黒、漆器の顔料などに利用してきたそうです。 なるほどです。


8. マコモの薬用利用 そして、やはり気になる薬用利用です。 このマコモ黒穂菌やマコモタケも、 薬用に使用されています。 マコモの黒穂菌は、熱冷まし、二日酔い、 便秘に利用されてきました。 また、マコモタケは、中国では古くから生薬として、 解熱や便秘に利用されています。 また、マコモの葉茎根種実なども、 薬用として使用されてきた歴史があります。 さすがマコモです。 原生マコモの葉の効果を科学的に証明した、 医学博士で弘前大学名誉教授を務めた、 角田幸吉氏の著書『驚異の原生真菰健康法』(1981年刊行)には、 様々な研究結果がまとめられています。 著書では、まず毒性がないことが証明しています。 次に胃腸の運動を正常に戻す作用があること。 血圧をコントロールする。 血液をきれいにする。 ホルモン分泌を旺盛にする。 免疫、抵抗力を増大する。 悪性腫瘍の増殖を抑える。 血糖値を低下させる。 などなどが詳細記載されています・ これを読む限り、「マコモ菌」との関わりも大変気になります。 マコモ菌はマコモにはなくて、マコモが動物の体液と接触して、 発酵して初めて生まれる菌です。 なぞの多い菌ですが、マコモ菌の不思議については、 後ほど記事にしていきます。 現代の“マコモ研究”でも、解明できていないことは多く、 まだまだ謎に包まれているのが、マコモなのです。

9. マコモとケイ素 私が興味を持ったのは、 マコモが「珪酸植物」であるという点でした。 植物は土壌の中の珪酸(水に溶けたケイ酸塩)を根から吸収し、 土中に見られる植物由来の珪酸体をプラントオパールと言います。 すなわち、プラントオパールとは、 植物珪酸体が、植物が枯れるなどして 土壌中に保存されたものを指します。 マコモの葉には特にケイ酸が多く含まれているので、 プラントオパールの 有無や量が過去の植物を推定する手がかりになります。 ですから、マコモがいつ頃生息していたかを 調べることができるのです。 マコモにケイ素が多いことはわかっていたのですが、 それが、「マコモの治癒力と何か関係がある」という強い直感があったのです。 マコモの葉には、ケイ酸(二酸化ケイ素)の量が、非常に多く含まれています。 田中文夫氏の著書、『まこも風土記』に、 “マコモの葉が風に揺れると、「しゃらしゃら」というような、 表現しがたい金属質の独特な音がする“というようなことが記載されていて、 なるほど、本当にそうだと思いました。 マコモの葉が触れ合う音を聞くと、 確かに竹の葉のようなサラサラという音ではなく、 ケイ酸の量が多いので、もう少し硬い感じの、 まさに「シャラシャラ」というような音なんですよね。 私がケイ素を研究していることもあり、 ”マコモ菌のパワーの秘密は、ケイ素が関係するのでは?” と考えていました。 マコモ菌とケイ素を混ぜた化粧品を作ってもらい、 会社で販売もしはじめました。 のちに、このマコモ菌を発見した、小野寺広志氏の意思を継ぐ お孫さんの小野寺会長に直接お尋ねしたところ、 「マコモ菌の“エサ”は、まさに“ケイ素”です。」 とおっしゃり、大興奮したのです。 これで、いろんなものが、一気に繋がったのです。 マコモは、人類史上が始まる前の遥か昔から、 そのままの同じ姿で、変わらず生息してきた、驚くべき植物です。 どんなに環境が変わろうとも、 同じ姿かたちのまま強く生き抜いてきた、 生命力に溢れている植物。 それがマコモです。